The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
翔は雅紀に
「雅紀・・
すべては、弟の為の復讐か?」
雅紀は顔を振った
「・・・わからない・・
自分でも、何でこんな事しようとしたか…
解らないんだ。
大好きだった弟の慧を失って・・
本当に悲しくて・・
悲しくて・・
生きる希望なんて無くなって…
何のために生きているのか?
もしかしたら、
死んでしまった方が楽になるのかも…って思った
でも、勇気がなくて
それも出来なくて…
自分ではもう、どうしていいか解らなくなっていた。
そんな時に、智の事を知った・・
智を恨む事で・・
生きる希望が湧いてきた…
本当は…だだ、生きる為の糧が欲しかった だけ かも知れない…。」
雅紀は俯き、歯切れの悪い口調で低くつぶやいた。
潤は、そんな雅紀の姿に
「・・そんな曖昧な理由で・・・
俺たち兄弟を苦しめていたのか!!!!!」
潤は雅紀に向かって殴りかかろうとしたが
「潤!!」
翔がそれを止めた。
「兄さん!!!
なんで止めるんだよ!!
こいつの為に、カズや智はどれだけ
悲しい思いをしたと思っているんだ!!!!」
「潤!!!落ち着け!!
こいつにも、ちゃんとした言い分がきっとあるんだよ…
なぁっ…雅紀…」
「・・・翔ちゃん・・」
「なぁ~・・・
もう全部話してくれよ。
何で、こんな復讐劇をしようと思ったのかを・・・」
雅紀は翔の目を見て、頷くと
「・・・・」
「雅紀大丈夫だよ…
俺がそばに居るから、心の中にある想いをゆっくり話してやれ・・」
光一は雅紀の手を握りしめた。
「光一…ありがとう…」
静かに淡々語り始めた
「…俺の弟は…
慧は、本当に可愛くて自慢の弟で
カズちゃん達みたいに、仲のいい兄弟だった…
あの日… 満月を見に行ったばっかりに
慧は、事故で死んでしまった。
俺は、何年もの間 自分を責め続けた…。
生きる希望を失くし、生活はどんどん荒れていった。
風間君の家にも帰らず…
妖精界にも帰らず …
人間界で彷徨っていた。
正直言うと、生きる事が面倒になっていた…」