The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
「カズちゃん・・・・
いつから解っていたの・・・・
俺が裏切り者だって・・・・」
和也は、雅紀に背を向けたまま
寄り添いながら歩いていく
二匹の姿を、いつまでも見守っていた…
そして、そのままの姿で
「…最初からずっと怪しいと思っていました。」
雅紀は、くわっと目を見開いた。
「えっ?」
和也は雅紀の方を向くと近づき、
肩を軽くポンと叩き顔を覗き込み
「だって、お前が智を見る目が
いつも暗く淀んでいたから・・・」
雅紀は俯いてしまう。
「・・・」
「お前は嘘がつけないタイプなんだよ。
それに、大切な時はいつも姿を隠す・・
完全に怪しいだろう・・・・」
和也はそういうと何故かニコっと笑った。
雅紀はその笑顔を見ることができず
顔が悲しげに曇る
「…そっかぁ…
さすがカズちゃんだね!!
俺の事なんか、
すべてお見通しだったんだね…」
光一は雅紀の元に駆け寄り抱きしめた。
「…雅紀…。」
雅紀はついに、ボロボロと大粒の涙を流し始めた。
「…光一…ごめんなさい…」
そんな姿をみて和也は
「雅紀!
もうこんな事終わりにしよう」
「・・・・・・」
「私達は全て解っているんです。」
翔も和也の傍まで来ると
その肩に手を置いた。
「そうだよ雅紀。
これ以上やったら、光一がかわいそうだよ・・・」
「・・・・・うん・・・
そうだね・・・。
光一には、本当に損な役回りばかりさせちゃったね・・・
俺が全部悪いのに・・・」