The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
「ウミャー、ウミャー」
暗い部屋から再び苦しそうな声聞こえてきた。
全員が一斉に声のする方を向いた。
部屋中に響き渡るほどの悲鳴に
和也は、その声の方を見つめていた。
「苦しいんだね・・」
和也がつぶやくと
今度は違う声で
「ニャ~ニャ~」と鳴く声が聞こえた。
その声はまるで、
和也に助けを求めているかのような鳴き声だった。
「…あの子が呼んでる…」
鳴き声は、光一が出て扉の奥から聞こえてきた…
「…もう大丈夫だよ…
今助けてあげるからね…」
和也は目をつぶり
顔の前で、両手を合わせ
細い息を吹きかけると
柔らかな黄色い光が現れた。
そして、和也の祈りと共に
その光は、だんだんと
大きくなっていった。
「これでよし…」
和也は、その光の玉を優しく
ふ~っと吹いた。
「…侑李の所に飛んでいきな…」
光の玉はゆらゆらしながら…
暗い部屋の中に吸い込まれていった。
「ニャーオー・・・・・」
部屋の中が一瞬明るくなると
苦しそうな声は消えていった。
「……よかった。
無事だったんだ…。」
和也は安堵の表情を浮かべる
そして、すぐに侑李のいる部屋の方を
向き大きな声で暗闇にむかって
「お前も…生きているんだろ!!
姿を現せよ!!!」