The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
潤は和也の一連の動きを見ていて
何が起こっているか、理解ができなかった・・
潤の耳にも、もちろん翔の耳にも
智の声は聞こえていなかったからだ。
「兄さん・・カズはいったいどうしちゃったんだ・・・」
「多分、双子のシンパシーだと思う」
翔は和也の行動ですぐに理解できていた。
「シンパシー?」
「ああ・・
あいつらは双子だから
片割れが辛い時や悲しい時があると
胸が苦しくなるんだって・・
一人じゃ耐えられないから、
二人で分け合うんだって・・
俺達には解らない不思議な力だよ・・・」
「・・そうなんだ・・
幸せも分け合えばいいのに・・」
和也は、真っ暗い廊下を駆け出した。
「‥智・・・待っていてね!」
「カズ待てよ・・
俺が案内するから先に行くなよ」
二人は急いでその後を追った。
潤の案内で、三人は妖精の家のあるフロアに急いで向かった。