The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
「それは突然だった…。
光一から、智が人間界に来ていて
今、夜景が綺麗に見える丘にいる事を聞いた。
だから、二人で逢いに行ったんだ。
そうしたら、そこに智と二人で居たんだ。
そいつは、俺の姿を見て満面の笑顔で
「初めまして」って言ったんだ!
俺は正直ビックリしたよ。
だって、記憶を操作した訳じゃないのに…
まるで、記憶を全部忘れているかのようだった。
あの忌まわしい記憶を 全て忘れられたのか?って思った。
でも、違った…。
あいつの記憶を何一つ忘れていなかった。
なのに、俺の目の前で 寧ろ楽しそうにじゃれ合っていたんだ。
俺は信じられなかった・・
だから、しばらくたったある日…
俺はそいつに聞いてみたんだ
何が、あったのかを…。
そいつは、俺にものすごく怖い顔をして・・・・」
「潤!!!
弟の死は事故じゃなかった・・・。
殺されたんだ!!
俺は、やっと 弟を殺した奴を見つけ出したんだ!!!
そいつからすべて奪い・・・
目の前で、大切な者を失う辛さを
必ず味わせてやるって!!!!!!」
潤は、そいつが鬼のような形相をして
話しをする姿を思い出し
深いため息をついた。
「俺はその時気が付いた…
あいつを突き動かしているのは、
怨みと憎しみだけだって…
あいつは、ある人物に復讐をする事だけしか考えていなかった。」
和也は悲しそうな目で潤を見る
「…それが智だったて事⁇」
「そうだ…」
潤は静かに頷いた。