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The night dream of fairy【気象系BL

第12章 無償の愛


「………」

潤は言葉を失い…
真っ直ぐ前を見据えていた・・

そして、光一の「理想の智を作り直せばいい・・」

という言葉が、ずっと頭の中でこだましていた。

呆然と立ち尽くす潤を無視して

光一はさらに言葉を強めた。


「潤!!!いいな!!!

これは命令だ!!!

今すぐに全てを消してこい!!!!!!」

「わかりました…。」

潤は頷いた。

光一はニヤッと笑うと

再び歩き出し、潤の姿を見ることもなく
横を通り過ぎていった。


潤は光一の命令に逆らうと言う事は、

どうなるかなんて

身に染みてわかっていた。

だから、頷く事しか出来なかった。




光一の姿が見えなくなると

頭を振って、両手で頬を叩くと

智がいる部屋とは逆の方へと歩き始めた。

光一の言葉に惑わされそうになった時

和也の顔が頭によぎった。

そして、

「…命にかえても智を守るから…

全てが終わったら…

また光の世界に…

カズの隣に返すから…」

と約束した事を思い出したのだ。

だから、あの時操られずに済んだ・・・

和也に感謝をしながら

ドールハウスの一階まで下りていった。


高層ビルの妖精専用の出入口から外にでると

ビルを見上げ、ドールハウスを見つめた。

太陽は西に沈みかけていて、中の様子は見えなかった。
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