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The night dream of fairy【気象系BL

第12章 無償の愛


光一は扉の前で深いため息をすると、

振り返り、扉におでこをつけた。



その表情は、いつもの怖い顔ではなく

切なそうな表情なっていた。


そして、部屋の中に居る愛おしい人物を思い出して

一筋の涙を流した。




「お前の事を心から愛しているん・・

だから、頼む・・

もうこんな無茶なことは 絶対にしないでくれよ・・・



こんな事が続いたら、心臓がもたないよ。



俺は・・お前の笑顔がホントに大好きなんだ・・・

また、俺の横で微笑んでいてくれ・・・」

扉に優しく振れると、その手から淡い赤い光が現れ

扉に吸い込まれていった。


しばらくして、扉から顔を上げると身を翻し歩き始めた。


その顔は、何事も無かったかのように

いつもの険しい表情に戻っていた。




廊下を歩いていると

後ろから パタパタ羽根を震わせて

近づいてくる音が聞こえてきた。

光一はすぐにその正体は想像がついた。

「潤、そんなに慌ててどうした?」

「光一!!!!

今他の妖精から聞いたけど・・・

智が爆発に巻き込まれたって!!!!!」

潤は真っ青い顔をして、光一に掴みかかり詰め寄る。

「智は?

智は大丈夫なのか!!!!!」

取り乱している姿を見て、光一は冷静沈着にその躰を離させると


「潤、落ち着け・・・




智は大丈夫だ!


今は部屋の奥で寝ている。



怪我はない。


あの黄色い妖精が 

すべて治してくれたおかげで無傷だ!」

「えっ?」

潤は心の中で「黄色???カズが・・・なんで?」つぶやいた。

光一は冷たい目で奥の部屋を見る。

「なんで?
光の妖精が一緒に?


あっ…」

潤は光一の頬に涙の跡があったことに気がついた。

「光一?・・・」

その頬に触れようとしたが

光一は潤の手を拒む



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