The night dream of fairy【気象系BL
第11章 再開と別れ
智はその瞳から目を逸らす事ができず
体をビクンと揺らすと・・・
智「こ・こう・いち・・・」
次の瞬間、目は虚ろになり 表情のない人形のようになってしまい
光一の方へとゆっくりと歩き出した。
雅紀「ダメだよ!!!!
さとちゃん!!
行っちゃダメだよ!!!」
腕をとっさに掴むが
智はそれを 無言のまま振り払おうと暴れだす。
雅紀「さとちゃんダメだよ!!!!
翔ちゃんとカズちゃんの所に帰るんだよ・・・・・」
雅紀は大粒の涙を流し 必死に止めようとするが・・・
突然、智の体がピタッと止まる。
雅紀「・・さとちゃん?????」
雅紀が顔を覗き込むと・・・
羽根が青く輝きだす。
そして、雅紀に向かって手を伸ばしてきた。
雅紀「待って!!さとちゃんやめて・・・」
あと少しで羽根に触れそうになった時・・・
翔「智!!」
どこからか声がした。
智は、その声に動きが止まる。
翔、和「・・・さとし?・・・」
二人の声に反応をするかのように 再びビクンっと体を揺らし、崩れ落ちていった。
雅紀は、智が倒れる直前で急いで抱き留めた。
羽根は輝きは失っていた。
雅紀「さとちゃん・・」
その優しい問いかけに、智は瞳を開いた。
智「まー君・・・・
また、僕を助けてくれたんだね。」
雅紀「違うよ・・
さとちゃんを助けたのは俺じゃないよ・・・」
雅紀は翔と和也の方を向いた。
智は二人の姿を見つけると微笑んだ。
智「カズ、翔君・・・・」
和也も智と目が合うと嬉しそうに微笑みを浮かべた。
二人は智の所へ急いで駆け出した。
光一はそんな二人の様子ジッと見ていたが
怒りで拳を強く握りしめ ゆっくりと宙に浮上していった。
光一「チッ…くだらない・・・・。」
光一は舌打ちをすると右手に力を集め始める。
雅紀は光一の動きに気づき
雅紀「来るな!!!!」
雅紀の叫び声に2人はピタッと動きをとめる。
翔、和「…えっ…⁉️」
雅紀は智を抱きしめると、耳元で何かをつぶやいた。
智「えっ?」