The night dream of fairy【気象系BL
第11章 再開と別れ
雅紀「…違うよ!!
さとちゃんの帰る場所は あいつの所じゃない!!」
智「えっ?」
両肩をしっかり掴むと 顔を覗き込み
雅紀「…さとちゃん!!よく聞いて!!
きみには、帰りを待っていてくれる家族がいる!!
翔ちゃんは 今もさとちゃんの事を必死に探している
カズちゃんは 口には出さないけど、
ピアスを大切に袋に入れて、いつも首から下げてる。
みんな 君が帰ってくるのを待っているんだよ!!!!
さぁ~さとちゃん!!
帰ろう!!」
雅紀は智に向かって大きくてを広げた。
智「まー君・・・」
雅紀「さぁおいで!
キミが探してる・・・
赤の妖精は翔ちゃんだよ!」
智の目からは 絶え間なく涙が溢れだした。
雅紀の顔をしっかりと見据えたかと思うと
ゆっくりと瞳を閉じた。
智の頭の中で、「赤の妖精は翔ちゃんだよ!」と言う、
雅紀の言葉が、こだましていた。
そして、再びゆっくりと瞳を開くと
しっかりと前を見据え 凛とした口調で
智「…翔くん…」
雅紀は智の顔を見て安堵の表情をした。
そして、くちゃくちゃな笑顔を作って笑った。
智はそのまま腕の中へ飛び込んで行き
二人は幸せそうに笑った。
雅紀は(これで、智は大丈夫だ。)そう確信した。
でも、光一はそんな二人を許す訳がなかった。
光一「おい!!智!!裏切りはゆるさねぇ!!
すべては俺の物だ!!
邪魔はさせない!!!」
その地を這うような恐ろしい声に
智は震えあがり、
その漆黒な黒光する鋭い瞳に
恐怖のあまり体が動かなくなってしまった。
雅紀はとっさに 智を後ろに隠した!!
雅紀「さとちゃんは渡さない!!
さとちゃんは、帰るべき所に行くべきだ!!
お前達に絶対に渡さない!!」
智「雅紀…。」
光一「くだらない!!
智!!!!
こっちへ………こい!!!!」
光一の羽根が黒く光 瞳はさらに漆黒に光輝く!!