The night dream of fairy【気象系BL
第11章 再開と別れ
智は、暗い顔のまま、俯いて指をいじりをしていたが
雅紀の真剣な眼差しに 観念したかのように話始めた。
智「俺・・ここで赤の妖精を見たんだ・・・」
雅紀「えっ⁇赤!!」
智「うん…この前この場所で見たんだよ…。
真っ赤な羽根を持った光輝いた妖精を・・・」
智は顔を上げて雅紀を見た。
智「まーくんは光の妖精だから、知らない?赤い妖精を・・」
雅紀は小さくため息をした。
雅紀「さとちゃん・・・
赤い妖精はこの世の中にどれだけいると思ってるの?」
智「そうだよね・・同じ色なんて沢山いるもんね。」
雅紀「うん。 見た事はあるけど、さとちゃんが探している妖精って
どんな妖精なの?」
智はまた、下を向いてしまった。
智「う~ん・・・どんなって、遠くから見ただけなんだ・・・
」
雅紀「そっかぁ・・でも、同じ赤でも 持っている力は その妖精によって微妙に違うけどなぁ・・
だから、さとちゃんが見た妖精はどんな力を使っていたの?」
智「どんな力って・・・
人間の服の中に隠れていたから・・・
姿も良く覚えてな・・
あっ!!でもすごいなで肩だった!!!」
雅紀はクスクス笑った。
雅紀「なで肩って・・・」
智「え?俺おかしなこと言った?
だってあんな なで肩見た事ないよ!」
雅紀「そっかぁ~他には特徴ないの?」
智「他・・・うんっと。
あっそいつ初めて会ったのに 俺と同じ歌を歌ったんだ…」
雅紀「同じ歌?」
智はベンチに手をついて、足をバタつかせながら、
その歌を歌おうとした。
雅紀「さとちゃん!!!ダメ!!!!
今それ歌ったら俺寝ちゃうって・・・」
智「あっごめん・・・」
雅紀「本当に早くビアスを返して貰った方がいいね」
とつぶやいた。
智「え?何か言った?」
雅紀「何でもないよ!!!」
智「それでね、俺がいつも歌う歌があるんだけど、
その歌、いつ覚えたのか あんまり覚えてねぇんだけど・・・」
雅紀「へぇ~そうなんだ・・・・」
智「うん。昔誰かが、俺を抱っこしながら、
その歌を歌ってくるたような
そんな気がするんだよ!」
智はゆっくりと瞬きをすると・・・・
「僕はその歌が大好きだった・・・・」
雅紀「…………僕⁇
大好きだった!?」