The night dream of fairy【気象系BL
第10章 夢想の智
おいらが……
いや、俺が目を開いたとき
そいつは俺の顔を見て悲しい表情になった。
「まだ、そこにいるつもりなんだね・・・
お願いだから、聞いて・・・
時間がないよ!早く記憶のカケラを一つにして・・・・」
言っている事が全くもって理解できなかった。
こいつは誰と話していたんだ?
記憶のカケラだって?
いったい何の話なんだ?
その記憶のカケラを集めて?
一つにして?
何のことだ?
どんな意味があるんだ?
「僕が探しているのは お前じゃない!!!
偽りのカケラはいらない。
本物の記憶のカケラだけが欲しいんだ。
ほら、時間がない!
夜明けは近づいてきてる
聞こえてる?
君達はいつまで偽りの世界にいるの⁇」
そいつは、今度は見透かしたような目で言ってきた
「早くカケラを見つけないと、
大切な何かを すべて 失ってしまうよ…。」
そして、ケラケラ笑った。
「君は・・・今 偽りの記憶のカケラでできている」
智「だから、偽りのカケラ?
そもそも、記憶のカケラってなんだよ!」
「クスクス・・・・
本当に 君の心は 空っぽなんだね
だから自分が誰なのか?
どこから来て、これからどこへ向かっていくのか?
解らないんだね。
そんな君は 誰からも愛してはもらえない!
早く本当の君に戻らないと・・・・
君は心に描いていた夢を覚えている?」
智「夢?そんなの・・・」
「そうだよね・・
君のその心じゃないよね」
智「・・・・・・・」
「僕にはあるよ!大きな夢が・・・」
智「大きな夢?」
「うん!僕は君を消すことだよ!!!!!!」
智「うるせい!!!うせろ!!」
俺は、そいつに殴りかかった。
そいつはスーッと消えていった。
「そうやって、偽りの中にいたら、光が消えてしまうよ」
姿は無いが声だけが響いていた。
次の瞬間、目の前に赤、黄、緑、紫の光が現れた。
「ほら・・・のんびりしていたから
緑の光が…」
急に黒い手が現れて
緑の光が握り!!
「やめろ!!!!!!」
俺は叫び声をあげた。