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The night dream of fairy【気象系BL

第10章 夢想の智


そいつはおいらの前まで、

ゆっくりとした足取りで歩いてきた。


「もう、逃げるのはやめなよ。

逃げていたら、

君はずっとこのままだよ。


僕はね・・

果てしない夜の片隅で、


ずっと君と逢える事を

夢にまで見ていたんだよ

早く自分の殻から出て来ないかなぁ…

って思って

ずっと待っていたんだよ!」

突然おいらの腕をガシッと掴んできた。


智「痛い!! 放して・・・」


「やっと捕まえた!



僕の大切な、カケラ・・・・」


智「カケラ?

カケラってなんだよ!

おいらはお前なんか知らないよ」


そいつは笑った。


「ねぇ…君は本当に

自分の事を知らないんだね。」

僕は君の事をよく知っているよ

なんでだと思う?」


智「そんなこと知らないよ・・・」



そいつは意地の悪い顔で、クスクス笑った。


「じゃあ‥教えてあげる・・・・・・」


智「教えて!

おいらはいったい誰なの?

なんで?

ずっと一人ぼっちで、

あんな暗い所にいなくちゃいけないの?」



「クスクス 

それは君が記憶のカケラだからだよ」


智「記憶のカケラ?」


「そうだよ!!!」

そいつはニコニコ笑いながら

今度は両肩をつかんできた。


おいらは記憶?…………なの⁇



次の瞬間・・・・


目の前が紫色に霞んでいき…………。

おいらは目を瞑った。


「・・・・早く記憶のカケラを

僕に返して・・・・」

そいつの声が頭に響き渡った…。


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