The night dream of fairy【気象系BL
第9章 潤の贖罪
時が経つのも忘れて、話に夢中になっていた。
どれだけの長い時間、彼と話をしていたのだろう
俺は完全に光一を信頼してしまった。
だから、自分でも気が付かない間に 彼の漆黒の瞳に吸いこまれていったのかもしれない。
光一の耳のピアスが、外されていた事に全く気づいていなかった。
彼は突然俺の横に来て呟いた。
光一「お前は紫色の羽根になるのかぁ~」
潤「えっ?光一今なんて?」
光一「潤、何でもないよ・・・
お前の色は俺達組織にとって必要な色だ
・・・・・合格だ・・・・」
一瞬ニャっと笑うと・・・
光一「大丈夫・・・すぐに終わるから・・・・」
光一は俺のまだ未熟な羽根に触れてきた。
潤「あっ・・えっ?
やっ…あぁっ……っ…」
光一「潤…知ってるか?
今から 何年か前に人間界で起きた事件…」
光一の重低音のような声は俺の心の奥底に蓄積していった。
潤「あっ・・えっ?事件⁇」
俺は光一の瞳ジッと見つめていた。
光一「そう…妖精大量殺人事件…。」
潤「・・・・・・大量殺人事件?」
彼は静かに話し始めた・・・・
そして、話を聞いているうちに驚愕した。
両親が死んだ日…
それが、その妖精大量殺人事件の日だった。
俺の両親は事故にあったのではなく
何者かに殺された事実を知らされた。
光一は俺に言った。
光一「潤・・真実を知りたくないか?
なんで両親が殺されたのか?
これからは、俺と一緒に人間界に行って本当の真実を見つけよう!」
光一は俺の羽根を強く握ると・
自分の羽を黒く輝かせた。
潤「はぁっ…ぁぁ…っ、ん…」
俺は体がビクッと跳ねて・・・
次の瞬間
俺の羽根は紫色に染まっていた。
そして、大人の妖精になっていた。
光一「これでお前も大人の妖精だよ!!
潤、人間界へ一緒に行こう!!
お前を必要としている仲間が待っているから…」
潤「仲間・・・・人間界?」
光一「そうだ!!!
二時間後に森の奥の大樹の所で待っている!!!!!!」
彼は俺にクランベリーの入った籠を渡してくれた。
俺はその籠を必死に握りしめて走り出していた。
光一の言葉が、身体を勝手に動かしていたのかもしれない。
今思えは、俺は光一の言葉に完全に惑わされていたのかも・・