The night dream of fairy【気象系BL
第9章 潤の贖罪
俺が智の秘密を聞かされたのは
親父達が死んで数年たったある日の事だった。
俺はまだ子供の妖精だった。
だから、当然だけど羽根には色もなく、
自分が紫の妖精になるなんて考えてもなかった。
両親の事も、兄さんから人間界で事故にあって死んだとしか聞いていなかった。
二人の死はショックだったけど・・
まぁよくある事かなぁ…
って、ぐらいしかし考えてなかった。
それに、俺には兄さんと まだ生まれたばかりの
カズと智が居たから それなりに忙しく楽しく暮らしていた。
う~正直な話をすると、 毎日がドタバタしていてたから すごく充実した生活だったのもあって
あまり悲しいなんて 感じたこともなかったと今になって思う。
だからまさか、あんな真実が隠されていたなんて…
その時の俺は全く考えていなかった。
俺の運命を 大きく動かす出来事が起きたのは
秋晴れの清々しい日の事だった。
俺は、森でクランベリーを採っていた。
潤「今年も沢山のクランベリーが採れたなぁ…
これだけ有ればクランベリータルトが焼けるぞ!!
智は大好きだからなぁ…
口の周りに真っ赤なベリーに染めながら、食べる姿はホントに
可愛いんだよね💕
それを、俺が綺麗に舐めてあげるのが最大の喜びだよ!」
あっ…
これじゃ俺も変態か?
兄さんの事あまり言えないなぁ…。
なんて考えながらニヤニヤしながら
クランベリー摘みを楽しんでいた。
?「楽しそうだね!!そんなにベリー摘みが楽しいの⁇」
突然後ろから声をかけられて…
潤「わっっ!!!」
ビックリして思わず後ろに転んで尻餅をついてしまった。
その反動で籠も大きく飛び上がり空中を飛んで行った。
潤「あっ!!!!大事なクランベリーが!!」
その人は、俺が立ち上がるよりも早く 飛んで行って、みごとに籠をキャッチしてくれた。
太陽の逆光で顔は見えなかったけど・・・・
大きな黒い羽根が俺の目には、はっきりと見えた。