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The night dream of fairy【気象系BL

第9章 潤の贖罪



俺はすやすや眠る智の顔を優しく撫でてやる。

まだ幼ささえ残る可愛い寝顔だった。



潤「カズ、ごめん…

智は大事な預かり者なのに…

また、無理をさせちゃったなぁ~

あいつ知ったら絶対に怒るだろなぁ…

また、しばらく口聞いてくれないだろうなぁ~

ごめんなぁ・・・」


智の顔を見ながら和也に謝った。


智と身体を重ねるようになったのは


いつの頃からだろうか?

この5年間 何度も智の記憶のカケラを握り潰したかわからない。

夜中に俺が目を覚ますと


智は一人窓の前に立ち月を見上げ


震えて泣いていた。


俺は後ろから強く抱き締めてやるけど…



智「絶対に・・・


忘れてはいけない人だと思うんだけど・・




誰だかわからない人の声が


頭の中で響いてくるんだ…」

俺の腕の中で

また、無意識のうちに涙を流し・・・・

智「満月を見上げると・・・・

光輝いた 黄色い羽根の男の子が…

「さぁ…輝いてごらんよ!!

もう、泣かないで下さい。

可愛い顔が台無しですよ!!

この素晴らしい世界で、

私が必ずあなたのことを見つけてあげるから…」

って言って

おいらを抱きしめてくれる…

潤…あいつは誰なんだろ。

こんな空っぽのおいらを

なんで、光の妖精が

抱きしめてくれるかなぁ…?」

俺は智の言葉に驚愕する。


記憶のカケラは確かに取り出したはずなのに…

どうしたら、あの楽しかった光の世界を…

全てを忘れられる?


俺は一度きりだからと・・・・・・

心に誓い智と身体を重ねしまった。



人生そんなに甘くなかった・・・・・。


そんな誓いなんて、

一度あんなに素晴らしい、最高な快楽を全身で知ってしまったら 我慢なんてできるわけがなかった。

カズ…本当ごめん…。



俺は自分の心の弱さを噛みしめながら

今日まで偽りのパートナーとして騙し続けている。

それでも智は俺を好きと言ってくれる。

あいつの大切だったものを全て奪い取った俺に・・・

偽りの記憶を与えた張本人の俺に・・・・


智、全てが終わったら・・・・

俺の記憶はすべて消して、また光の世界に返してあげるから・・・・


だから、もう少しだけ俺のわがままに付き合ってください。


俺は気持ちよく寝ている智の唇に誓いのキスをした。

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