The night dream of fairy【気象系BL
第8章 光と闇の狭間で…
はぁ….
作戦は失敗かぁ…
そう思った時だった。
運が悪い事って重なるんだよね…
耳栓がポロってハズレて…
儚げな歌が聞こえてきた…
あれ⁇
これって…
昔…俺がよく子守唄のかわりに歌ってあげた歌だよなぁ…。
タイトルは…
確か…
そうだ!!
「キミの夢を見ていた」だった。
俺は懐かしくなって
思わず一緒に歌い出してしまった。
♪〜
次の瞬間…………
不思議な事が起こった。
俺の羽根が勝手に輝き出し
だんだん青いベールが
薄れてきたと思うと…
今度は赤い光のベールが、
岡田君と犯人の体を包み込んだ!
そして…
突然!!
岡田君の目がパッチリと開くと
燃えるような熱い目をしていた!!
彼は、すぐさま男の手をガシッと掴むと
犯人をねじ伏せた!!
そして、大きな声で
◯時◯分窃盗の疑いで逮捕する!!
って言って…
犯人に手錠をかけた。
さっきまで、
ヨダレを垂らして
寝ていた人じゃないみたいに…
かっこいい!!!!
さすが、
本物刑事さん!!
うっとりしていたが…
俺はハッ!!っとして耳を澄ましが…
歌声は消えていた。
急いで辺りを見回し探したが、
智の姿は何処にもなかった。
それどころか、
痕跡すら何もなかった。
あの歌声は確かに
智の声だったと思う……。
和也は昨日
智の姿を見たと言った。
俺は…
この5年間まだ一度だって、
見ていない…
翔「逢いたいなぁ…
俺も智に会ってみたかった…」
ふと空を見上げ
呟いた…
涙が頬をつたって…
落ちていった…………。
ニャ〜…………。
不意に、どこかで猫の鳴き声が
聞こえた様な気がした。
そして、
俺は誰かに見つめられているような
気がして振り向いたけど……
やっぱり誰もいなかった…
智に逢いたいなぁ…