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【DQ11夢】そのままの君でいて

第2章 後編


慌てたように○○はシルビアを追いかける。
「ねえ!シルビア」
「なによ」
○○はシルビアの片手を掴むと、
「たまにはシルビアも相手してよ」
「…はぁ?」

――無邪気な目で彼を見上げた。

○○は、小脇に抱えていた薪束を一旦地面に置くと、得意げに木の枝を構えた。

「私結構、強くなったような気がするの。」

――確かに格好だけはそれなりに様になってはいるが。

シルビアは、やれやれ、と肩をすくめる。
「気のせいよ。全然、まだまだだわ」
○○が置いた束を拾い上げて、再びさっさと歩きだした。

――自分でも多少大人げない言い草だとは思ったが。

「シルビア、もしかして怖いの?」
不意に、背後から○○が挑発的に呼びかけた。
「…なんですって」
ゆっくりと振り返るシルビア。
○○は一瞬身じろいだが、すぐに小さな胸をそびやかすように、
「…私が、思ったより強くなったから?」
精一杯強がって言った。

――この子は。

シルビアは一度深く息を吸い、そして吐いた。

――人の気も知らないで。

「…いいわ。」
と、抱えていた薪束の中から、手ごろな長さの一本を取り出すと、
「そこまで言うなら、相手してあげるわよ。」

――愛用の片手剣のようにすらりと構えた。

どこからでもかかってきなさい、と剣先で煽ると、
○○は
「…馬鹿にしないで」
さっと頬に朱を奔らせる。
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