第1章 体育祭
「クッソ…!いってぇ!」
滑るように転んでしまったため、右腕とひざのほうに思いっきり傷ができてしまった。傷ができたところが、皮膚が薄く、血があふれるように出てくる。見てるだけでも痛々しいものだ…。
「リオンちゃ…」
「リオン!」
1番に私に駆け寄ったのはアメかなと思ったが、驚いたことにそれはゾロだった。
「ゾロ…」
「おら、手ェ貸すから本部行くぞ」
「お前に助けてもらうなんか…」
「そんなんじゃ立てねェだろうが」
結局私はゾロに助けてもらって本部に行くことに。…そういえば、ゾロに触れるなんて機会そんななかった気がする。幼馴染なのに。ゾロの体は本当に筋肉質で、なんか…かっこいいっていうか男らしいというか…、そう思うと顔が赤くなる感覚がした。
「…ちょっといいか?」
「え?何…って、わっ、ちょ!」
ゾロは私の体を持ち上げる。まるでお姫様抱っこのような。なんだか恥ずかしい…。
「これは恥ずかしいだろうが!」
「あ?お前ひとりで歩けんのか?」
「それは…無理だけど…」
「じゃあ文句言うな」
「…チッ」