第5章 気づいたら
私は部屋に戻る。そして3人でまた駄弁る。この船の女性陣と話すと時間があっという間だ。すごく好き。
「リオン、1回ゾロをデートに誘ってみたら?」
「デッ!?」
「そうよ、そこから考えるのもありなんじゃないかしら?」
「ほらほら、もうゾロを誘うべきよ!」
「えぇ…」
私は困惑する。ナミやロビンはもういノリノリだった。ゾロと二人で出かけるのはしたことがない。買い出し行くにしてもゾロはいつも船番だし…。
「なんだかんだ理由つけて誘えばいいのよ、ほら、荷物持ちとか」
「荷物持ち…」
そこまで言うなら…と、半分強制的なデートをすることにした。
飲み終えたグラスをもって再びキッチンに向かった。サンジがいない。しかし、なぜかゾロは1人で酒を飲んでいた。
「サンジは?」
「あいつなら風呂だ」
「ふぅん…」
私はグラスを流し台のところに置く。きっと優しいサンジは洗ってくれるだろうと信じて。…さて、本題だ。
「あのさ、ゾロ…」
「あ?」
「明日島に着くみたいでさ…」
「そうらしいな」
「そこでさ…」
なんだか急に告白みたいな感じになって急に恥ずかしくなってきた。
「(買い物に)付き合ってほしい」
「はァ?」
ゾロは口元を抑えてそっぽを向く。そんなおかしいことを言っただろうか…?
しばらくしてゾロはこっちをしっかり見る。
「俺でよけりゃ…」
「マジ!?じゃ、明日よろしくな」
そのまま私はキッチンを出る。明日はどんな格好で行こうかな…?