第5章 気づいたら
「サンジ、ジュース…」
明日の朝食のための仕込みをするサンジにジュースを作ってもらおうとキッチンに入る。しかし、そこには夜食と酒を飲むゾロの姿があった。
ゾロと目が合うがなぜか意識してしまい、目をそらしてサンジの方を見る。
「リオンちゃん!なに飲みたい??」
「なんでもいい。早く作って」
とにかくこの場から離れたい。私は恥ずかしくて足が震える。ゾロはこっちを見ている。しかし、私はそっちを見まい、とジュースを作っているサンジの方を見る。
「パインジュースでもいいかな?」
「全然いいです、頼むから早く…」
「…」
いつもなら早く出来上がるのに、なぜか今日だけは遅く感じる。ゾロの目線が痛い、早く、早く…。
「おい」
「…」
「リオン」
「わ、私かよ!なんだよ」
「…なんでもねェ」
ゾロの方を見るともうこっちを見ずに酒を楽しんでいる。
「はい、できたよリオンちゃん」
コト、とグラスを目の前に置かれる。私はそれを受け取ってすぐにキッチンを出た。