第5章 気づいたら
「でさ、そん時にゾロがさぁ!」
いつもの時間、女部屋で行われる夜会。私とナミ、ロビンはワインやジュースを片手に盛り上がる。
「ねぇ、リオン?」
話している私にナミが話しかけ、中断させた。ナミはいつも私の話をちゃんと聞くのに…と、珍しかったため驚いた。きょとんとする私に向かって、ニヤリと笑う。
「あんた、ゾロのこと好きでしょ?」
心臓がドキッと高鳴ったのが聞こえる。私が、ゾロのことが、好き?ナミが言ってることがよくわからん。
「は?」
「だって、お酒に酔って話すことがいっつもゾロのことだもん」
「リオンはわかりやすいわ」
ナミもロビンもにやにやと笑う。
「い、いや、そんなことは…」
「あるでしょ!ほら、ちょっとゾロの事考えてみな!?」
そういわれてゾロの事を思い浮かべる。耳に飾られているピアス、かっこいい筋肉、傷跡…。
かっこいい…?何を言ってるんだ私は。あの緑色は私をチビだとバカにしてくるし、私とあいつは顔を合わせると言い合いになる。そんなあいつのことが好きだなんて、絶対にない!…はず。
「…絶対ない…」
「そういっても、顔は赤いわよ」
「違うんだって!!もう!」
熱くなった顔を冷やそうと、あと一口だったジュースを飲む。
「ジュース取りに行ってくる…」