第1章 内緒と内密
「……きろ。」
「…い…。…加減…きろ…」
(遠くで誰かの声がする…)
「……。」
「おい…いい加減起きろ。」
「……?」
聞き覚えのある声に目が覚める。
「…あれっ…?リヴァイ兵長…?おはようございます…。」
「…ようやく目が覚めたか。お前、昨晩のこと覚えているか?」
私は寝ぼけたままで最大限に頭を働かせた。
(途中まで楽しく飲んでて…確かその後…!!兵長と…!!でも記憶が…)
「やはり覚えていないか…。お前、飲んでいる途中で俺のベッドいきなり爆睡しだしたんだ。」
「…えっ!!」
(寝てた!?…寝てたってことは…あれ全部夢!?恥ずかしすぎる…。)
羞恥心に襲われる一方で、あることを思い出した。
「あの…兵長…?私…寝言で何か変なこと言ってませんでしたか…?」
「…いや…。」
「そうですか…。」
内心安堵し、気持ちを入れ替える。
「兵長、申し訳ございません!!酔ったあげく、兵長のベッドで寝てしまい…。罰則なら受けます。本当に申し訳ございませんでした。」
ベッドの上で土下座して謝る。
「…普段なら罰則を考えるが…今回は…無しだ。」
「…えっ!」
予想外の言葉に耳を疑う。
「…祝いの礼だ…。」
「兵長…。ありがとうございます!!…また来年も兵長の誕生日お祝いしましょうね。」
「…そうだな…だが、俺の誕生日の前にお前の祝いが先だろ。」
「…!!はいっ!」
その言葉に、私は熱く込み上げて来る思いを必死に堪えた。
まるで、俺の隣にいてくれと言われているかのように…。
(皆さん、おはようございます!!)
(あっ!リヴァイ、ミユ!!さっき見たよー!!リヴァイの部屋から二人で出てくるところ…。)
(!!)
((((本当ですか!?兵長!?))))
(…お前らも永遠の眠りに落ちたいみたいだな…。)