第2章 疑惑と思惑
起きるかと思い、しばらく様子を見ていたが一向に起きる気配がない。
(…こいつ…何処まで神経図太いんだ?…叩き起こすか…。)
ベッドの傍まで行き、叩き起こそうとした。
「へー…ちょう…リヴァイへい…ちょー…ずっと…傍にいさせて…ください…。」
「……。」
(…俺の夢を…見ているのか…?)
俺は起こすのを止め、ベッドに座った。
(まさか…俺の夢を見ているとはな…。)
一向に起きる気配のないにミユに視線を落とす。
サラサラの髪、長いまつ毛、透き通る白い肌、紅色の唇。
(警戒心ないって顔しやがって…。)
頬に触れると身動ぐ。
「…警戒心を持たない…お前が悪い…。」
その一言だけ呟き、唇と唇を重ねる。
初めは軽く…そして…深く深く…
「…はぁ……う…ん…。」
「…ここまでしても起きねぇとはな…。ある意味感心する。」
俺の行為に気付かない ミユに内心呆れる。
「…うーん…へいちょー…それ以上は…ダメ…です…。でも…嫌じゃ…ないで…す…。」
「!!……どんな夢見てるんだ…。」
その言葉に思わず苦笑する。
「…これはお前からの誕生日祝いとして受け取っておこう…。この続きは…今度起きているときに…だ。」
その言葉が聞こえてるはずはなかったが…
ミユの表情は…嬉しそうな…恥ずかしそうな…そんな笑顔に思えた。
(…へい…ちょー…リヴァイ…兵長…。)
(…本当にどんな夢見てるんだ?)