第7章 ジュエル
別々に会計を終え、アクセサリーショップをあとにした。
「キョウカさん、メシ何食いたいとかあります?
なければ俺が勝手に決めちゃいますけど」
「今日はエレンが全部決めて良いよ。
この前私が決めちゃったし」
「分かりました」
キョウカさんと、すぐ近くの店に入った。
「ここ、安いのに量が多いんです」
給料の多くない俺にとってはありがてぇ店。
カウンター席でハンバーガーと飲み物を頼み、料理を待つ。
「すいません、個室じゃなくて...」
「私は気にしないから大丈夫。
エレンはよくここに来るの?」
「はい。
安いのに量があって、旨いし。
あんまりこういう店来ないですか?」
「うん、まぁ。
でもなんだか新鮮、楽しいね」
隣でニコニコと笑う。
「なら良かったです」
俺の隣の席の奴がキョウカさんのことをジッと見ていた。
見んな、やらねぇぞ。
見せつけるようにキョウカさんと距離を詰め、タイミング良く出された料理に手をつけた。
「美味しい...」
口にハンバーガーを頬張り、モグモグさせている。
可愛い。
こういうもんは口に合わねぇと思ってたけど、そんなことなく食べ進めて行った。
「ご馳走様でした」
ペロリと1人前を平らげたことに少し驚いた。
意外と食べるんだな...。