第7章 ジュエル
「キョウカさんってどんなのが好きですか?」
「私?」
キョトンと首を傾げる。
店内には何人かのカップルがアクセサリーを見ている。
「はい。
あ、もちろんそのペンダントを外せとかそんなんじゃないです!」
「好きなの...か」
店内のアクセサリーを一瞥し、視線を落とす。
「キョウカさん...?
大丈夫ですか?」
「あ、うん、大丈夫。
私は調査の邪魔にならないものなら好きかな。
形の好き嫌いはないよ」
そう話すキョウカさんの表情には陰りが見える。
聞いちゃいけねぇことだったか?
そりゃアクセサリーなんて、好きな相手からのしか受け取りたくねぇよな...。
「ねぇ、エレン。
私もここで買い物して良いかな?」
「も、もちろんです」
そう言うと辺りのアクセサリーを眺めた。
キョウカさんとアクセサリー...絵になる。
なんて言ったらまた怒られちまうんだろうけど。
「エレンは見ないの?」
「あ、見ます!」
カップルばかりのアクセサリーショップで、2人別々のコーナーを見る俺とキョウカさん。
周りからはどんな目で見られてんだろ。
周りからの視線を気にしながら買い物を済ませた。