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【進撃の巨人】ティアドロップ

第7章 ジュエル


「確かに昔は前線に立ってたよ。

巨人も討伐してた」


座って話そう?、と着席を促す。


「まぁ、エレンの言う通りそれも過去のことなんだけどね。

エルヴィン団長に相談して、自分から前線から遠ざけて貰ったの」


「え、どうして...」


「昔のように動けなくなったから。

歳とかじゃなくてね。

腹部の傷、あったでしょ?

その影響で」


「でも...壁外調査で見た立体機動凄かったです。

全然そんな風には...」


壁外調査で見た限り、完全に立体機動を使いこなしていた。


「団長も気にしなくて良いって言ってくれたんだけど、やっぱり自分のことだと許せないんだ。

だから後方支援部隊を作ったの」


「そう...だったんですね...」


空気が重くなる。


「そんなに暗い顔しないの」


ワシャワシャと頭を撫でられる。


なんで平気で居られるんだ...?


「...そんなキョウカさんも好きです」


「ありがとう」


と、優しく笑った。


この人は心が強ぇ。


俺の支えが必要なのか不安になるぐらいに。


「あ、エレン。

紅茶が冷めちゃったの、新しく淹れてくれない?」


「もちろんです!

砂糖は?」


「多めで。

甘いやつくださいな」


「はい!」


俺がキョウカさんを支えてあげる日がいつ来るかは分かんねぇけど。


いつか来るその日まで、強くなる努力をしよう。


改めてそう決意し、紅茶を注いだ。
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