第1章 好きです。
「これ、いつまでだ?」
「今日中」
「笑えねェ冗談だ」
そう言うと兵長は書類を受け取り、席に着いた。
「今回は量が多くてね。
それと同じ量を各班に届けてるの、リヴァイが最後ね。
各班に配るのを終わらせるだけでも2日徹夜しちゃった」
「寝不足はいざという時に動けねェぞ」
「確かにね。
まだお昼前だしゆっくりやって良いよ」
「あぁ」
目を見ることなく頷くと、早速ペンを走らせる兵長。
「リヴァイ、給湯室借りるね。
紅茶淹れて来る。
エレンくん苦手なものとかある?
紅茶大丈夫?」
「は、はい!大丈夫です!
あの、紅茶なら俺が...」
「良いの良いの、座ってて」
そう笑うと、給湯室に入ってしまう。
また名前聞いてないのに...。
「...エレン、あいつに気があるならやめとけ」
「え?あ、な、なんで」
「お前の様子を見てりゃバカでも分かる」
早速兵長にバレてしまった。
いくら兵長に言われたとしても、そう簡単に諦められない。
「はい、リヴァイ」
「あぁ」
お盆の上にティーカップを乗せて戻って来た。
やっぱり可愛い。
その姿をいつまでも眺めていたい。
「はい、エレンくんの。
好み分からなかったからレモンティーにしちゃったけど、大丈夫?」
「はい!
...レモンティー...?」
紅茶は普段無糖しか飲まないから分からない。
無糖だから当然だけど、もう少し甘みが欲しいと思っているのは秘密。