第6章 質疑応答
地下室で着替えを済ませ、キョウカさんの部屋へ向かう。
「エレン着替え早いね」
部屋の前で待っていたキョウカさん。
今日は白い七分丈のシャツに、タイトなジーンズというシンプルな格好だ。
「じゃあ行こっか」
「はい!」
キョウカさんと並んで兵舎を出る。
「持ちます」
「ありがとう」
買い物カゴを受け取る。
その中が徐々に野菜で埋まっていく。
「苦手な食べ物とかある?」
「ないです」
「分かった。
若い男の子って結構食べそうだから、多めに作っておくね。
カレーで良い?」
「大丈夫です。
あと俺、そんなに食べませんよ」
どんなイメージなんだ。
「あ、そう?
なぁんだ」
力を抜いたように笑う。
食材を買い終え、キョウカさんの部屋に戻る。
「荷物、持ってくれてありがとう。
キッチンに置いておいてくれる?」
「はい」
「好きに過ごしてて良いよ」
「あ、いえ、あの...」
「エレンも手伝ってくれるの?」
と、クスリと笑う。
「はい!」
「ありがとう。
エレンは普段料理するの?」
「いえ...全く。
母さんの手伝いですらないです」
「そっか」
キョウカさんに教えて貰いながら野菜を切る。
なんだこれ、人参硬ぇ。
「そうそう、そんな感じ。
ゆっくりで良いから怪我しないようにね?」
キョウカさんが近くに居て、緊張する。