第4章 衝撃
「.....もしかしてですけど、俺が木にぶつからなかったのってキョウカさんが庇ってくれたからですか...?」
あの時の匂いと同じだ。
優しく、ほのかに香る花の匂い。
「え?
うん...嫌だったかな?」
不安そうに顔を覗き込む。
あー、クソ.....やっぱ無理だ。
「俺、あんたのことが好きです。
恋人でもねぇのに兵長とするなんて、そりゃモヤモヤしましたけど...。
でも、無理なんです。
嫌いになろうとしても、やっぱりあなたのことを見ちゃうんです」
「え...?」
驚いたように目を開くと、固まるキョウカさん。
あなたから見ればガキかとしれねぇけど、でも俺はあなたのことが好きなんです。
「俺と...付き合って貰えませんか...?」
顔から火を吹きそうだ...。
クソ熱ぃ。
心臓がバクバクと煩く騒ぎ立て、他の音が何も聞こえねぇ。
「...ありがとう、エレン」
「.....はい」
はいでも、ごめんなさいでもなく、ありがとう。
それだけで十分だ。
これは遠回しの断り。
「...でも俺、諦めませんからね...!
何度でも、こうやってあなたに告白します」
「.....リヴァイに報告して来るね。
ちゃんと寝ててね」
「はい」
背を向け、足早に医務室を出て行った。