第4章 衝撃
意識がゆっくりと浮上していった。
「っ.....」
重たい瞼を上げると、目の前には白い天井が広がっていた。
ここは...どこだ?
俺は...。
「起きた?」
「はっ...」
キョウカさんに隣から声を掛けられ、飛び起きる。
「まだ寝てた方が良いよ?」
「いえ、そういう訳には...。
あの、ここは?」
「医務室」
「俺は...」
そこで思い出した。
まだ訓練の途中だということを。
「あの、訓練は?」
「もう終わったよ。
あれから3時間経ってるから」
3時間...!
そんなに寝てたのか。
畜生...勿体ねぇ。
「寝不足による集中力低下が起こした事故。
.....昨日、眠れなかったの?」
「...はい」
終始あなた達のことが頭に浮かんで。
「そう...ごめんね。
目を覚ましたってリヴァイに伝えて来る」
「あの、キョウカさん!
俺.....訓練の途中で倒れたんですか?」
「立体機動の訓練の途中、木に激突するところだったの。
まぁ、間一髪のところで当たらなかったんだけど」
「そう...ですか」
間一髪のところで当たらなかった?
なんとなく思い出して来たぞ...。
確か立体機動の最中にボーッとしてて、木が迫るのに気づかなかったんだ。
でも確かぶつかる直前、花の匂いがした気がする。
あの匂い...どっかで。
「今は寝てなさい?」
身体を押され、布団を掛けられる。
フワリ...と優しい香りがした。
これって...。