第4章 衝撃
翌朝。
起床の鐘が鳴る前に身体を起こした。
「全く眠れなかった.....」
目を瞑るとキョウカさんの声を思い出し、寝るどころじゃなかった。
気まずいな...出来れば会いたくねぇ。
キョウカさんと出会ってから、こんな感情初めてだ。
しばらくして、起床の鐘が鳴る。
「はぁ.....」
重い腰を上げ、ベッドから立ち上がるとクラリと頭が揺れた。
寝てねぇからな...。
それでもなんとか洗面所に向かい、顔を洗うと兵服に着替える。
決められた時間が近くなり、兵長の執務室に向かった。
朝も早い為、あまり人とすれ違わない。
.....いつもなら。
「エレン、おはよう」
「おっ、は、ようございます...」
よりにもよって今1番会いたくねぇ人と会ってしまった。
「これからリヴァイの部屋に行くの?」
「はい」
「そっか」
「キョウカさんは...」
「ん?」
やめろ、聞くな。
聞いてそれで、望んでねぇ答えが返って来たらどうする。
第一あんな場面に居合わせて、望む答えなんてねぇだろ...!
「昨日.....兵長の部屋に行きました?」
聞くなよ、俺...!
「え?
行ってないよ」
「そう...ですか」
そう、あれは人違い。
人違いだ。
たまたま同じ名前の人が居ただけだ。
キョウカさんは関係ねぇ。
そう考えて、俺を安心させようとした。