第3章 特例
キョウカさんの出て行った扉をしばらく見つめる。
やっぱり可愛いよな...。
死んで欲しくねぇな...。
死んで良い人間なんて居ねぇけど、キョウカさんは特に。
「好きなの?」
アルミン...今...なんて...。
「は...?」
「好きなの?」
「な、何言い出すんだ、アルミン!?
いや、俺は別にキョウカさんのこと、好きとか、んなんじゃなくてだな...」
なんでバレたんだよ、畜生!
兵長といい、アルミンといい...。
「エレン、僕はあの人のことなんて一言も言ってないよ」
「はぁ?」
嵌められたのか?俺は。
「エレン、あの女はダメ。
まだ何も知らないじゃない。
何か裏があるかもしれない」
肩を掴むミカサ。
「別に.....良いだろ」
「良くない。
あなたのことは私が守るの。
エレンのはただ気になってるだけ、好きなんかじゃない」
好きじゃない...?
「俺はキョウカさんが好きなんだよ...!
本気で...」
シン...と食堂が再び静かになる。
やべぇ...全部聞こえてたか?
チラリと横を見れば、ジャンが気まずそうに目を逸らした。
...聞こえてたのか...。
「エレン、食べ終わった?」
タイミング悪く、キョウカさんが戻って来る。
「え...またこの空気...?」
「た、食べ終わってます!」
「そっか。
じゃあリヴァイの執務室戻ろ?」
「はい!」