第3章 特例
キョウカさんと一緒にメシ食えるの、楽しみにしてたのに...。
あ..キョウカさんが離れて行っちまう...。
クソ...引き止めろよ、俺。
メシぐらい誘えるだろ!
「あのっ」
咄嗟に口を開けば、思っていたより大きな声が出た。
これじゃあ注目されるに決まってんだろ。
何考えてんだ、俺。
「.....一緒に、食いませんか?メシ」
「え...?」
あれ...?
やっぱりしくった?
何も言わねぇ方が良かったか?
なんで黙ってんだ?
なんで食堂まで静まり返ってんだ?
顔が熱ぃ。
「えっと、そちらの2人が良ければ...」
と、少し照れたように尋ねる。
もしかしなくても、勘違い!?
一緒にって、俺とじゃなくて俺達とって受け取ったのか?
嘘だろ...。
でもさっきの俺の言葉じゃそう取られても仕方ねぇよな...。
「僕は良いよ、エレン」
「...私も、大丈夫」
「ありがとうな、お前ら!」
それでもキョウカさんとメシを食えるんだから嬉しいに決まってるだろ。
「おい、キョウ。
俺の意見は無視なのか?
それとも聞こえてなかったか?
その顔の横についてる耳は飾りか?」
「痛いってば、リヴァイ。
耳引っ張らないで」
キョウカさんの耳を容赦なく引っ張った兵長。
羨ましい...。
じゃなくて!
痛そう...大丈夫か?