第3章 特例
「エレンから、知らない匂いがする」
ミカサの言葉に思わずガクッと肩が落ちた。
「あのなぁ、ミカサ」
言い返そうとしたら、食堂の扉が開いた。
3人でその扉の方を向く。
俺達だけじゃなく、他の皆も扉の方を向いていた。
なんでだ?
「え?あの、どうしたの?
今入っちゃいけなかった?」
キョウカさんが扉から少しだけ顔を出し、周りを見回した。
「あ、エレン。
と...お友達?」
「あ、はい。
同期のアルミンとミカサです」
ペコリとアルミンが頭を下げ、ミカサはそのまま黙ったままだった。
「おい、ミカサ。
お前挨拶ぐらい...」
「良いの、大丈夫。
お友達が居るならお昼はお友達と食べた方が良いよね?
久しぶりに会ったんだし」
「え?キョウカさん?」
何を言い出すんだ、この人は。
「あの、俺は別に...」
「おい、入口に突っ立ってんな。
邪魔だ。
あと猫を被るんじゃねェ」
「リ、リヴァイ兵長!」
ガタリと立ち上がる。
食堂に兵長が現れたことで、周りが騒がしくなる。
「煩ェな...」
「へ、兵長がなんでここに...」
兵長に食堂なんて、ミスマッチ過ぎるだろ。
「こいつに無理矢理連れて来られただけだ。
俺はメシは静かな場所で食いてェ」
「そんなこと言わないの。
でもエレンもせっかくお友達と居るし、また今度にしよっか」
そんな...。