第3章 特例
「ぶ、分隊長!」
「ほら、オルオ!
すみません、バカで」
ペトラさんが謝る。
「いえ、あの...」
「リヴァイ、ちょっと良い?」
「なんだ?」
「昨日の会議のことで気になることがあって」
「今ここでじゃダメか?
書類が追いつかねェ」
キョウカさんに目を向けることなく、手を忙しなく動かし続ける兵長。
「今はこいつらに説明しているところだ。
大方の説明は終わったが...」
「そう、他に彼らがやる仕事は?」
「...ねェな」
「それなら、申し訳ないけど通常業務に戻って貰っても良いかな?」
執務室から人払いをする。
「あ、エレンは行かなくて良いよ」
一緒に出て行こうとすると、キョウカさんに止められる。
「良いんですか?」
「お前は別だ、エレン。
てめェの監視が俺の...いや俺達の役目だ」
「俺達?
兵長だけじゃないんですか?」
「俺とキョウだ。
キョウ、茶」
「分かった。
エレンも座って良いよ」
「は、はい」
紅茶を淹れ、それぞれの前に置いてくれる。
「ありがとうございます、キョウカさん」
「キョウ、お前暇か?」
「兵長、そんな言い方...」
「暇よ、何かする?」
「あぁ。
この書類を頼む」
手元にあった書類を1束掴むと、キョウカさんに手渡した。
「了解」
キョウカさんは文句を言わずにその書類を受け取ると、俺の向かいに座る。
「とりあえずその書類の山終わらせるから、そのあと時間があれば話したい」
「あぁ、分かった」