第15章 審議の末に
最近色々起きた上にまともに休めてなかったから疲れたのか、と自分の頭を納得させた。
昨日がっつき過ぎたのもあるから、少しは我慢しねぇと。
「ん......」
とは思うけど、静かな寝息と時折漏れる声が欲を掻き立てる。
我慢しようと決意したばかりなのに...!
これ以上見てたらきっと我慢出来なくなる。
そう思ってキョウカさんに背を向けた。
「エレ......ン」
「!はい、どうかしましたか?」
名前を呼ばれ、慌てて振り返ればキョウカさんは目を閉じたままだった。
「寝言か...」
寝言でまで俺のことを考えてくれているキョウカさんに、理性が更に揺らぐ。
我慢だ、我慢。
しばらく理性と欲求に頭の中が揺れていた。
「ん......あ、エレン」
「お、おはようございます」
「おはよう」
寝込みを襲う前に起きてくれて良かった...。
「お疲れですよね?
俺、ご飯作りますよ」
「...今日は外に食べに行こっか」
「分かりました。
何食べたいですか?」
「ハンバーガー」
「分かりましたっ、行きましょう!」
鍵を閉めて、部屋を出た。
キョウカさんの胸元には雫のペンダントはない。
「ずっと外したままなんですか?」
「ん?
うん、エレンの信用を得る為にね」
クスリと笑った。
「まぁ、いつもつけてたものがないから胸元は寂しいけど」
イタズラっぽく笑うキョウカさん。