第15章 審議の末に
「相変わらず野郎をたらし込むのが上手ェな」
フッと鼻で笑うリヴァイ。
「やめてよ、そんなんじゃないってば」
「キョウカ。
いつも言っているが、先の約束はしない方が良い。
我々はいつ死んでもおかしくない。
守れるか分からない約束なら、しない方が得策だ」
「先の約束があった方がより生に執着出来るでしょう?
時には死を選ばなくちゃならない時があったとしても」
「わははは、相変わらず意見が合わないねー、エルヴィンとキョウカは」
ハンジがお腹を抱えて笑う。
そんなに笑う要素はないと思うけど。
「話が終わったのなら俺は失礼するぞ」
ミケが幹部で最初に部屋を出た。
「ミケがせっかちなのも相変わらずだね〜」
「各々仕事があるし、仕方がないだろう。
そんなことよりハンジ、君は仕事に戻らなくて良いのか?
仕事、溜まってるのだろう?」
「え?
いやー、あはははは」
「おい、笑って誤魔化すな」
「ところでエルヴィン!」
「...なんだ?」
「ちょうど昨日巨人化出来るかもしれない薬を完成させたんだ!
実験しても良いだろう!?」
「ダメだ」
「えー、なんでっ。
成功すれば絶対に人類の為になると思うよ!?」
「その滞った書類を全て片付け終えたら許可をやろう。
それまではダメだ」
「ちぇー......あ」
明らかに残念そうな顔をしたあと、何か思いついたかのように顔を上げたハンジ。