第14章 特例任務
「エレン?」
正面から抱きしめると、驚いた声をあげた。
「どうしたの?
疲れた?体調悪い」
「...気分が悪ぃ」
首筋に顔を埋めた。
「水持って来ようか?
それとも布団まで運ぶ?」
声音からして、本気で心配してくれてる。
「いや...」
「遠慮しなくて良いよ。
私、エレンぐらいなら運べると思うし」
「......嫉妬し過ぎて気分が悪い、責任取って」
「はい...?嫉妬...?」
首筋に唇を宛て、歯で噛めば赤く痕がつく。
「他の奴なんか見んなよ」
逆側の首筋に唇を這わせると、きつく吸い上げ赤い鬱血の痕を残した。
「エレン、そこ見えちゃうから、ダメ」
「見えるようにつけてるんです。
俺のだって見せつけちゃえば良いんですよ」
そうしたら変な虫も寄って来ねぇ。
「エレン、ダメよ。
ルネが居るんだってば」
必死に抵抗しようと俺の胸を押し退けるキョウカさん。
思いの外力が強く押し返されそうだったけど、耳をしゃぶればその力も弱まった。
「今頃夢ん中ですよ。
それにもし起きたとしてもキョウカさんが声を我慢すればバレませんって」
「強引...」
「なんとでも言ってください。
俺はなんでも許せる程大人じゃねぇんです」
キョウカさんを抱き上げ、服を着たまま浴室へと入った。
ムワッとした熱気に、体温が上昇する。