第14章 特例任務
「だから懲りないわね」
少年の振るったナイフを叩き落とし、再び腕を拘束した。
「っぐぅッッ」
腕を後ろへ運ぶ際に、ゴキッと嫌な音がした。
「ッッ...」
「首謀者は?」
「......言ったら解放してくれるのか?」
「ええ、約束するわ」
「...オレに暗殺を依頼したのは......」
「なるほどね、ありがとう」
「いってぇ」
拘束を解くと、腕をガッと掴んだ。
「あれ...?
治った...折れたんじゃねーのか?」
「関節を少し痛いように外しただけよ。
それを今戻したの。
元通り動く?」
「...あぁ、問題ねー。
アンタ...強いな」
少し怯えながら見上げる。
「ふふ、ありがとう」
その少年の髪を撫でると、微笑んだ。
「ルネのことは我々調査兵団が守るわ」
髪を解き、眼鏡を外したキョウカさんが敬礼をする。
「ちょーさ...へーだん......?」
キョトンと目を丸くする少年ルネ。
「調査兵団って...壁外調査に出て、巨人と戦う...?」
「ええ、そうよ」
「すっげ!」
キラキラと目を輝かせた。
「私着替えて来るね」
元の優しい雰囲気に戻ったキョウカさんが奥の部屋に消えていく。
「俺達も着替えるぞ、もうすぐここを立つ」
「はい、兵長」
兵長と一緒にその場で私服に着替えた。