第2章 兵長同伴初ディナー
目の前に料理と飲み物が並ぶ。
美味しそうな匂いを漂わせるそれらは、グゥ...とお腹を刺激した。
「冷めない内に食べよ?
いただきます」
「あぁ」
「い、いただきます」
手を合わせるキョウカさんを見て、俺も慌てて手を合わせた。
「ん、美味しい」
テーブルは四角い木材で出来ていて、座敷になっている。
向かいにはキョウカさんが居て、その隣には兵長が居る。
この2人の仲の良さには流石に嫉妬せずに居られるか。
「エレン?
顔怖いよ?
料理口に合わなかった...?」
お酒のグラスを手に、心配そうに尋ねる。
「いえ、そんなことないです!
とっても美味しいです」
あなたの隣にリヴァイ兵長が居るという事実を除けば。
「そう、良かった...」
ニコッと安心したような笑顔を向けられ、胸の中に渦巻いていたどす黒い感情は一瞬にして消し去られた。
すげぇや、やっぱり。
キョウカさんは料理に手をつけつつ、お酒も飲んだ。
一口だけ料理を貰う。
「どう?美味しい?」
「はい!」
緊張とかで味なんてなんも分からねぇけど、昨日の俺と比べたら凄い進歩だと思う。
片思いな状況は変わんねぇけど、楽しい。
お酒も入ってニコニコするキョウカさんを眺め、顔をほころばせると。
ふと兵長と目が合った。
さっきキョウカさんはやめとけって言われたんだよな。