第13章 任務前夜
「好きに座ってろ」
「はい」
俺が居ても気にすることなく、頭をガシガシと拭く兵長。
まぁ、気にされても困るけど。
することもなくてボーッとしてると、後ろから戸が開く音が聞こえた。
「あ、エレンもう来てたんだ。
早いね」
「キョウカさん!」
後ろを振り返れば、キョウカさんの姿があった。
膝上丈のワインレッドのノースリーブワンピース。
白い肌が良く映える。
というより、いつにも増して露出が多くねぇか?
胸元なんか少し屈んだら見えるだろ、それ。
相変わらず胸元には雫型のペンダントが光っている。
「はい、お酒。
リヴァイが好きそうなのを選んだよ」
酒瓶をいくつか机の上にコトリと置いた。
「ほぉ、見たことねェ酒だな」
興味深そうに酒瓶を手に取る。
「アルコール度数が高めなの。
辛めの味だからリヴァイの好みに合いそうだと思って」
綺麗に磨かれたグラスを2つ、音を立てずに机に並べた。
「エレンの為にジュースも持って来てるからね。
好きに飲んでね」
「ありがとうございます」
それぞれのグラスにお酒やジュースを注ぎ、口に運ぶ。
「...悪くねェ」
「そう?
口に合ったなら良かった。
貰い物だけど私には度数強くて飲めないからあげるよ」
「あぁ」
「お酒ってどんな味なんですか?」
「うーん、色々な種類があるから難しいね。
これは喉が熱くなる感じ...かな」
飲みたいとは思わねぇけど、興味はある。