第13章 任務前夜
仕事が終わって、着替えをする為にキョウカさんの部屋に戻った。
部屋には鍵が掛かっていて、キョウカさんはまだ帰ってねぇみたいだった。
私服に着替えている最中、ずっとキョウカさんのことを考えてた。
彼女より体力がねぇなんて、男として情けなくねぇか?
最近事務作業ばっかしで身体動かせなかったし。
明日から自主練のメニューを増やすか。
着替えを終えて、部屋を出る。
兵長の私室の前に立ち、戸をノックする。
「...なんだ」
いつもより不機嫌そうな声。
やべぇ、タイミング悪かったか?
「エ、エレンです」
「1人か?キョウはどうした」
あいつなら遠慮なく入って来るだろうに、と笑う。
「まだ仕事中みたいで...」
なので俺だけ先に来ました、と告げる。
「そうか。
少しそこで待て」
「はい」
兵長の私室の戸の前で1人静かに待つ。
「待たせたな」
内側から戸が開き、首にタオルを掛けた半裸の兵長が出て来た。
「シャワーを浴びてたところだ。
露出狂じゃねェ、そんな顔するな」
「す、すいません」
「それより入るならとっとと中に入れ」
「お、お邪魔します」
兵長の私室は、無駄な物なんて一切置いてなくてそれでいて綺麗だ。
ちゃんと隅々まで掃除が行き届いている。