第13章 任務前夜
「キョウカさん執事なんですね。
メイドじゃなく...」
「こいつが1番適任だ」
「そうなんですか」
「キョウ、今夜付き合え」
「え!?」
「別にお前の考えてることじゃねェ。
酒に付き合え」
「それは良いけど」
「俺もご一緒します!」
「てめェは飲めねェだろうが」
「2人きりはダメです」
「チッ...面倒くせェ」
渋々兵長が首を縦に振った。
「仕事が終わったら部屋に来い。
仕方ねェから、キョウの好みの酒を用意しておいてやる」
「ありがとう。
じゃあ私も少し部屋からお酒持って行くね。
口に合うか分からないけど」
「あぁ」
俺も、早く酒が飲めるようになりてぇ。
「エレン、お前は飲まなくて良い。
水でも飲んでろ。
そんでキョウが酔ってどうしようもなくなったらお前が連れて帰れ」
「はい」
「話は以上だ、仕事に戻れ」
「分かった。
じゃあまた夜ね」
手を振り、キョウカさんが執務室をあとにする。
「...例の女の件、すでにエルヴィンが片づけたから気にするな」
「例の...?
あ!あぁ」
一瞬、兵長が何を言ってんのか理解出来なかった。
「リザさんのことですね、良かったです」
「名前までは知らん。
興味がねェからな」
素っ気なく返し、書類を進める。