第11章 噂の行方
その後、食事を注文してご飯を食べた。
リザさんが食べ終わった食器を片づけに行っている間に、兵長達の元へと向かった。
「俺にキョウを呼ばせておいて、自分は呑気に別の女とメシか?
良い身分だな、エレン」
「ち、違います!
あれは勝手に...」
「エレン、酷いじゃない。
急に居なくなるなんて...」
と、右腕を絡められる。
「リザさん、本当いい加減に...」
「ほら、行きましょう?
2人の邪魔をしてはいけないわ」
そのまま腕を引かれ、歩き出す。
俺はキョウカさんと話してぇのに...!
キョウカさんの隣をすれ違った時、リザさんがキョウカさんの耳元で一言呟いた。
「異端者」
異端者?
異端者ってなんだ?
食堂を出る時にチラリとキョウカさんの方を見た。
無表情でメシを食ってた。
モグモグと口を動かし、時折兵長の言葉に頷き、笑う。
「リザさん!
俺はキョウカさんと話したいんです。
悪いんですけど、1人で戻って貰えませんか」
強引に進む脚を止める。
「嫌よ」
冷たい声が廊下に響く。
「エレン、あたしはあなたを自分のモノにしてみせるわ。
その為なら手段を選ばないわ。
どんな手を使っても、ね」
と、笑みを濃くする。
「俺は...」
「分かってるわ、言わないで」
言葉を遮ると、ゆっくりと近づく。
顎を掴み、持ち上げると顔を近くに寄せて笑った。
「すぐにあたしに夢中にさせてあげるわ」
その視線は俺の後ろへと向いていた。