第11章 噂の行方
「そんなこと気にするタマじゃねェだろ」
「リヴァイの私に対するイメージってどうなってるのよ」
「暴力女」
「はい!?」
思ったままを口にすれば、バシリと肩を叩かれた。
「ほら、そういうところだ」
「あ...。
ま、まぁ...」
気まずそうに目を逸らした。
「...別に俺は嘘をついてやっても良いが...」
「本当?ありがとう」
「ただし条件がある」
我ながら女々しいか?
「5日後の夜、予定を開けとけ」
「5日後?
良いけど...何かあるの?」
「ちょっと野暮用がな」
「分かった、よろしくね」
俺の用事にキョウを巻き込む。
正直俺よりもこいつの方が適任だしな。
「詳細はまた連絡する」
「ええ」
会話が終わった時にふと見せる顔。
寂しそうなような、そんな顔。
クソ......そんな顔見たかねェよ。
「...エレンのこと好きなのか?」
「え?」
チッ...何を聞いてんだ、俺は。
「うーん...。
好きか嫌いかで言えば好きだけど、これが恋愛感情かは正直分からないの」
「ハッ...分からねェ?
なんの冗談だ」
「冗談じゃないよ。
彼の時はなんて言うか...燃え上がるっていうか...何があってもこの人と一緒に居るっていう気持ちだったのね。
でもエレンへの感情は静かというか...落ち着くっていうか...」
顔を俯かせる。
「俺に言うな」