第11章 噂の行方
頭が混乱する。
どういうことだ?
「おい、煩ェぞ、お前ら朝っぱらから。
そんなに元気が有り余ってんなら仕事に回せ」
「兵長!」
「リヴァイ!」
「やぁ、リヴァイ。
キョウカとはどんな調子だい?」
部屋から出て来たリヴァイ兵長に肩を組むハンジさん。
怖いもの知らずだなぁ...。
兵長のあの顔、すっげぇ機嫌が悪い時の顔だ。
「あ?キョウ?
別にいつも通りだが...それがどうした」
「頑張りなよ、リヴァイ」
ポン、と兵長の肩を叩く。
「おい、何ニヤニヤしてやがる。
気持ち悪ぃ」
肩に回された手を払いながらハンジさんを睨む兵長。
「まぁ、お幸せねー」
手を大きく振りながら帰って行った。
「なんだったんだ、あいつ」
怪訝そうに眉根を寄せる。
「...私とリヴァイ、付き合ってるらしいよ」
「バカか、なぜそうなる」
「ハンジがどうもそう勘違いしてるみたい」
「ほっとけ」
面倒だ、というように顔を振り、執務室に戻って行く。
「ハンジの話、事実じゃないから気にしないでね。
私とリヴァイに付き合ってる事実はない」
と笑うキョウカさん。
「良かったです...。
あ、じゃあ俺そろそろ行きますね」
「うん、頑張ってね」
付き合ってねぇことに安心して、仕事に向かった。