第9章 団員名簿
「ただいま」
止めれずに帰って来ちまった。
「あ、あの、キョウカさん...」
「んー?」
スタスタと歩いて行ってしまう。
やべぇ...。
「あれ...?」
脚を止め、驚きの声をあげた。
そりゃそうだよな。
「これ...カレー?
昨日エレンが作ってくれたの?」
「あ、はい、まぁ、あの...一緒に食べようと思って...」
捨てるタイミングを逃した。
「1人で作れたんだ、凄いね!」
「ありがとうございます。
それ、昨日ので...捨てるので、今日はどこか食べに行きましょう」
「捨てちゃうの?
食べないの?」
「だって昨日のですよ、腹壊しますって」
「昨日の夜のでしょ?
なら大丈夫よ。
それにカレーは1晩寝かせた方が美味しいって聞くし。
ね?」
「...腹壊しても知りませんよ」
「大丈夫。
エレンが作ってくれたんだから、食べないとね」
またそうやって言って...期待するだろ。
「私温め直すから、着替えておいで?」
「はい」
キョウカさんは天然なのか、俺に期待を持たせるような言い方をする。
その度にドキドキするから、ほんと心臓に悪ぃ。
「カレー出来たよ」
着替えを済ませて戻ると、キッチンから美味しそうな匂いがした。
温め終わったカレーをそれぞれお皿によそう。
「私も着替えて来ちゃうね」
「はい」