第9章 団員名簿
「終わったぁ...」
グーっと大きく身体を伸ばしたキョウカさん。
「お疲れ様です」
「ありがとう。
あと書類を届けるだけだから、エレン先に部屋戻ってて良いよ」
「いえ、俺も持ちます」
「そっか、ありがとう」
書類の束を持ち、キョウカさんに続く。
「ごめんね、全部持って貰っちゃって」
「い、いえ、このくらい、平気です」
なんてのは強がりだ。
思ってたより重てぇ...。
朝キョウカさん、平気な顔して見てたよな?
キョウカさんより非力とか、鍛え直すしかねぇか?
一際大きな扉の前で立ち止まるとコンコンコン、と綺麗な音を鳴らした。
「誰だ?」
「私。
入っても良い?」
「あぁ」
扉を開け、中に入る。
「遅くなってごめん、書類終わったから持って来たよ、エルヴィン」
「すまない、ご苦労」
団長室って初めて入ったな。
珍しくてキョロキョロする。
「確かに受け取った」
パラパラと書類に目を通したた団長。
「じゃあよろしくね」
「あぁ」
無駄話をすることなく、団長室をあとにした。
「エレン、お腹空いてる?」
「あ、まぁ...」
「ご飯どこかで食べてく?」
「あっ」
「え?
どうしたの?」
やべぇ、鍋ん中にカレー入ったまんまだ。
見つかる前に捨てなきゃ。
「とりあえず、帰ろっか。
装備も重たいし」
「あ......」
スタスタと先を歩いて行くキョウカさん。
やべぇ、止めねぇと。