第9章 団員名簿
着替えを終わらせたキョウカさんと、カレーを食べる。
「美味しかった、エレン凄いね!
飲み込み早いし」
「キョウカさんの教え方が良いんですよ。
俺はその通りにやっただけです」
「そんなこと言って...狡い」
プイッと顔を逸らす。
「...また、作ってくれる?」
「もちろんです!」
「ありがとう」
ふにゃりと笑った。
「俺、風呂入れて来ますよ。
そのあと食器も洗います。
キョウカさんはゆっくりしててください」
「でも...」
疲れてる時ぐらいゆっくりさせてやりてぇ。
「今日ぐらい俺に任せてください!」
「分かった。
ありがとう、エレン」
ワシャワシャと頭を撫でられる。
キョウカさんに撫でられてると、嫌な気持ちとかモヤモヤとかが全部消える。
凄ぇフワフワした気持ちになる。
......でも、昼間兵長とキスしてたんだよな。
そのあと大して怒った様子もなかったし、受け入れてたのか?
あ、思い出したらまた腹が立って来た。
恋人でもねぇ俺が腹を立てるのは違う気がするけど。
「...兵長とのキス、良かったですか?」
「え?」
頭を撫でる手が止まる。
「どうなんです?
嫌がってる様子はなかったみたいですけど」
感情をぶつけねぇようにしてると、冷たい言い方になっちまった。
感情を表に出さねぇのって思ってたよりずっと難しい。