第9章 団員名簿
執務室に夕日が差し込む頃。
「終わりました...!」
やっと作業を終えた。
ざっと何時間ぐらい座ったままだったんだ?
身体の至るところが凝ってる。
「お疲れ様、エレン。
手伝ってくれてありがとう」
「いえ!」
「ほら」
「リヴァイ...ありがとう」
紅茶を差し出す兵長。
いつの間に淹れに行ったんだ?
「俺は先に上がる」
「お疲れ様、ありがとう」
「お疲れ様です、兵長」
途中から脱いでいた上着を手に、部屋を出て行った。
「エレンも、もう上がっちゃって良いよ?
あとは1人で出来るから」
「嫌です。
キョウカさん、今日はもうそのくらいにしてまた明日やりませんか?
俺、手伝いますから」
顔色は悪いし、フラフラしてるし、何より笑った顔が弱々しい。
「でも...」
「ならせめて、寝ましょう?
少しだけでも」
「...分かった」
カタリとペンを置いた。
キョウカさんはフラフラとソファーまで歩いて行くと、手招きした。
「どうしました?
俺出て行った方が良いですか?」
「ううん、違うの」
近づくと、ゆっくりとした動作で正面から抱きしめられた。
「キョウカさん?」
「お願い、ちょっとだけこうさせて」
ギュウッと抱きしめる腕の力が強まる。
「はい」
あなたになら、喜んで。
「ありがとう」
首筋に顔を埋める。